長崎大学水産学部 第三期中期目標・中期計画における重点研究課題

近未来の海洋環境変動に対するトラフグを基軸とした海洋生態系機能の把握と活用

プロジェクトの概要

画像1長崎大学・第三期重点研究課題(H28~33)に採択された「近未来の海洋環境変動に対するトラフグを基軸とした海洋生態系機能の把握と活用(代表:山口敦子)」では、東シナ海周辺海域を対象としてトラフグを基軸に海洋生態系を捉え、その生活史を明らかにした上で海水温の上昇など環境攪乱に対する生態系機能の応答を究明し、近未来の海洋環境に適応した海洋生物資源の持続的な生産・確保と安全な利用の基盤研究を先導する国際的な研究拠点構築を目標とします。これは、対応策の遅れにより喫緊の課題となっている海洋環境と生態系の変化に適応した海洋生物資源の生産と利用の体制を整え、本学の理念のもとに第三期中期目標に掲げた「地域に基盤を置く総合大学として、地域社会の持続的発展に大きく貢献し、地球規模課題に直結する特色ある分野における教育研究の推進」を図ると同時に、国際的な視点を備えた「大学のグローバル化」に貢献することを目指すものです。
世界の海洋のうちでも生物多様性が高いことが明らかにされた東シナ海周辺海域は、国際共同水域として有数の漁場であることに加え、日本の多くの水産資源の主要な産卵場としても重要な機能を果たす生産性の高い海域であり、かつ日本で最初に温暖化の影響を受けています。この東シナ海周辺海域という大きなフィールドを舞台に4つの研究チームを組織して実施した第二期中期目標・計画期間中の重点研究課題「近未来海洋への適応研究イニシアティブ(代表:武田重信教授、H25~28年度)」の中で、チーム横断型の新たな研究展開の可能性を見出し、トラフグの生理生態と環境要因の関係解明についてのワーキンググループが結成され、活動してきました。それが本プロジェクトの基盤となっています。

トラフグ Takifugu rubripes とは

画像2トラフグはフグ目フグ科に属し、日本から中国・韓国にかけて分布する広域回遊魚で、味・価格ともにフグの仲間のなかで最高級魚として知られています。肝臓や卵巣にはテトロドトキシン(TTX)という猛毒を持ち、その身を守ることが知られていますが、いつどこでどのように毒化するのか、天然海域での生態には未だ不明な点が多いのが現状です。

天然トラフグの生態と資源の減少

画像3最大の漁場となっている東シナ海周辺で漁獲されるトラフグの最も重要な産卵場の一つは有明海です。成熟したトラフグは3月~5月頃にかけて有明海湾口に産卵のためにやってきます。孵化した仔魚は流れにより有明海奥部の干潟・河口域周辺まで輸送され、稚魚期を過ごした後、成長するにつれて徐々に外海へ向けて移動を始めます。成熟に達する2~3歳以降、産卵のために有明海をはじめ、八代海や瀬戸内海などの産卵場に毎年回帰すると考えられています。一方、近年のトラフグ資源の減少を背景に、種苗放流が積極的に行われるようになり、その技術は向上しているにも関わらず資源は回復していません。この原因として、再生産成功率の低下が水産庁により指摘されています。しかし、その再生産成功率の低下要因については未だ明らかにされておらず、詳しい生態を明らかにすることが急がれます。

長崎県のトラフグ養殖生産量は日本一

養殖トラフグは冬を代表する高級魚。長崎県はトラフグ養殖業も盛んで、全国生産量の約半数を占めています。長崎県内の適正養殖業者が生産した安全・安心なトラフグは「長崎とらふぐ」と呼ばれ、その品質の良さにも定評があります。約1年半~2年くらいの飼育期間を経て、体重800g~1kg前後に成長したものが10月~3月にかけて全国に出荷されます。 

 

本プロジェクトに関する連絡先はこちら

        長崎大学 水産・環境科学総合研究科  
                    山口 敦子
             y-atsuko@nagasaki-u.ac.jp
                電話 095-819-2791(水産学部総務班)

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